初心者用ページ/立ち回り・プレイング - ポケモン対戦考察まとめWiki|第五世代(ブラック・ホワイト&ブラック2・ホワイト2)

勝つための「立ち回り・プレイング」とそれを実行するための「読み」の話。

「メインポケモンの立ち回りを完全に考えてから隙を埋めるようにパーティを構築する」
「テーマを決定し、パーティを構築しながら各ポケモンの立ち回りを調整する」
いずれかの方法を行うと思われるので、
本項目を読むのは、パーティ構築を読んでから、もしくは同時進行がお勧め。


立ち回り基礎・1~立ち回りとは?~ [編集]

対戦中は、パーティ構築の時にできたもの“以外”の「負け筋」を無くすために
「読み」を行い、「わざの使用と交換」を行う事になります。これを&bold(){「立ち回り」}といい、
「勝ち」を近づける立ち回りを「いい立ち回り」、「負け」を近づける立ち回りを「悪い立ち回り」と定義づけられます。

まず便利なのは速攻アタッカーです。速攻アタッカーを使えば読みのリスクを大幅に減らすことができます。
「きあいのタスキ」を持たせれば二発で倒せる相手は突破した上、さらに次のポケモンのHPを削ることもできるため、戦局は自ずと有利になるわけです。

例えばサンダースは読みをあまり必要としない初心者向けのポケモンと言えるでしょう。
相手が交代すると思ったなら身代わり、または相手に地面がいないことを確認済みならボルトチェンジを使えばそれだけで安定して優位に立てる。

つまるところ、『速攻型を使えば安定する』と言えなくもありません。
こだわりスカーフが重宝されるのは、そういった理由からなのです。

しかし、強力な耐久型(ポリゴン2?)や、強化された積み技(ウルガモス)、無限戦術(グライオン)など、
速攻アタッカーをむやみやたらに三匹並べるだけでは勝てない相手も当然出てくるでしょう。
速攻型の大半は耐久に乏しいポケモンが多いため、タスキやらなんやらで踏み止まられたり、半減耐性で受けられたりすると返り討ちに遭いやすいのです。

そのため、パーティ構築でもあるように、3体の役割を決めて戦略を練ったほうが自然と止まりにくい立ち回りが期待できるわけです。

補足 [編集]

Q:なんでパーティ構築時「以外」なの?
A:たとえば「ハピで止まります」なメンバーを選んでパーティ構築をしたのに相手にハピナスが出てきた場合、
 それはもう戦闘中では対策が不可能ですし、負けが決定しています。
 そうなれば「立ち回り」でカバーできる領分を越えているので、あくまで「構築時以外」です。
 
 もちろん極端な例ですし、こういうパーティ構築をしないに越したことはないですが、
 「今回ハピとは戦わない」(理由としては「流行っていない」とか)という「戦闘相手を読む」行為によって
 全体的に勝率を上げる試みをする人も多くいますので、「ハピ対策無し」という構築を試すのも良いでしょう。

Q:「『勝ち筋』を残すんじゃないの?」 
A:違います。
 「勝ち筋」が残っているのは「勝てる可能性が残る」ってだけの事なので、
 「負け筋」を無くす、すなわち「負ける可能性を無くす」のが先です。

 具体的には、「雨が降っててハイドロポンプのPPが8、でも相手がちょすいポケ」なら
 「勝ち筋」が残っていながら、十分な「負け筋」も残っている状況です。
 ここで相手がラプラスで、寝言零度型なら・・・? そういうこと。

立ち回り基礎・2~相手のポケモンの型と役割を予測する~ [編集]

ずばり、立ち回りで必要な事を挙げるとするならば、次の3点が必要でしょう。

  • 見せ合い時、相手が何を出してくるか?
  • 相手の手持ちポケモンのメジャーな型をすぐさま連想する。
  • その型から、相手の手持ちの役割を予測・把握する。

まず、手持ちの6体から選出する際に相手がほぼ必ず考える事は、
&bold(){『いかにして相手のパーティの弱点を付けるか? or こちらがダメージを最小限に抑えられるか?』}
と、言うことでしょう。
相手のパーティに対して、こちらが強力な有効打を持ちえている場合を&bold(){『刺さる』}と呼びます。
(極端な例ですが、ハガネール・ナットレイ・バンギラスの砂嵐パーティを相手が繰り出してきた場合、格闘タイプのポケモンがよく刺さります)
反対に、相手のパーティに対して攻撃を受け止められる若しくは無効化できる場合を&bold(){『止まる』}と呼びます。
(有名な例としては、特殊アタッカーは大抵、ハピナスで止まります)
つまり、先発3体構築の時点で読み合いが始まっているといって過言ではないでしょう。

そのときに必要な事は、&bold(){『相手の手持ちポケモンがどんな事をするのか、メジャーな型を連想すること』}です。
自分の手持ちポケモンのみならず、そのほかのポケモンの情報を知っておく事が、勝率を上げるコツともいえます。
相手が何をしてくるかが予測できるだけで、こちらの先発の選出も動きやすくなり、かなり有益なこと間違いありません。
ただ、メジャーな型を裏切るトレーナーも数多く存在するので、その辺り相手の他の手持ちポケモンを見回すと良いでしょう。

それが、3番目の&bold(){『相手の手持ちの役割を予測・把握する』}になります。
言い換えれば、相手の手持ちの特色を読み取り、役割を予想する事になります。
ただ、明らかに耐久ポケモンが多かったり、鈍足ポケモンが多い場合などは注意したほうが良いかもしれません。
前者はカウンターやミラーコートなどの反射技を持っているかもしれませんし、後者はトリックルームパーティを警戒すべきです。

ここで読み間違えると、立ち回りがおのずと厳しくなります。
しっかりと相手を分析して先発を選びましょう。

「受動的」「能動的」初手戦略 [編集]

「弱点の少ない電気タイプやノーマルタイプは先発に向いている」というのが「受動的」な初手戦略です。
「抵抗力(半減以下)の多いポケモンを先発する」も、言い方は違いますがまったく同じ事です。
役割理論に則すなら、「最初に受けを成立させ優位に立つ」という考え方になります。

これとは逆に、「相手パーティに対して広範囲の潰しを持つポケモンを先発」させ、
受けへ交換させる1手分のアドバンテージ、もしくは攻撃してきた先発ポケモンを潰してアドバンテージを稼ぐ、というのが「能動的」な初手戦略です。

どっちにもメリットはありますし、大体の場合どっちも同時に使える状況になります。
どちらを選択するかは好みですが、「安定」志向の人は基本的に「受動的初手戦略」を選びます。
しかし、「受けようとしてんのに交代される、それを読む」というのはかなり危険な行為で、
基本的には使用者の読みが冴え渡っている事が必要となるため、あんまりいいことでもありません。

「保険」と「釘付け」 [編集]

先発ポケモンの読みは当てられればそれに越したことはないですが、そう毎回うまく行かないのも常です。
読みを外してしまって、いきなり状況が不利になってしまうことも多々あります。
その場合に備えて「先発相性の悪い相手に後出しから対抗できるポケモン」を同時に手持ちに加えておきます。
これを&bold(){「保険をかける」}といいます。

例えば、「この試合ではハピナスを先発に繰り出したいと思うけど、相手パには苦手とするゴウカザルがいる。
なので先発ゴウカザル鉢合わせを考えて、念のため後ろに格闘受けのヤドランを置いておく」という具合です。

もしこのような保険ポケがいないときに読みを外してしまうと、「速攻アタッカーに殴られて大打撃」を受けたり、
「タイマン勝負で体力を消耗してしまい、ポケモン本来の役目が果たせなかった」ということになりがちです。
一方的な展開を避けるためにも、先発と控えの組み合わせには気を使わなければなりません。

しかし「後出しではどうにも受けられないポケモン」も中には存在します。こうしたポケモンに対処するためには、
「先発時点からタイマンで勝てるポケモンを配置し、受ける機会を作らない」ことが重要です。
これを&bold(){「釘付けにする」}といいます。

例えば、サザンドラは受けが困難なポケモンの1匹です。後出しから倒せるポケモンはほとんどいません。
もし相手にいきなりサザンドラを繰り出された場合、どれか1匹を犠牲にして次を死に出しするしかありません。
こうなってしまうとほぼ勝負は決まってしまいます。

そこでこちらも相手の先発サザンドラに備えて、先発にテラキオンを用意します。
テラキオンはサザンドラより素早いので、相手の攻撃を受ける前に格闘技で一方的に倒すことができます。
また同時に、テラキオンが場にいる限りサザンドラは「後出しも死に出しも不可能」という状態になっています。
よって、サザンドラは持ち前の高火力をぶつける暇が全くありません。
このように&bold(){「受けられないポケモンは、常に有利ポケを場に出して登場させなければいい」}わけです。

初心者のうちはつい高火力に受け出ししてしまって、結果突破されてしまうという事態に陥りがちですが、
プレイングを続けて、その試合で「保険」と「釘付け」のどちらが有効なのか、徐々に掴んで行くと良いでしょう。
また当然のことですが、相手もこちらの手持ちを見て先発を予想してくることは考慮しなければなりません。

とんぼがえり(ボルトチェンジ)の有効性 [編集]

「ダメージを与えながら交換できるから」というだけではありません。
共通して「相手の交換のあとに発動する」という動きにより、相手の交代先を見て自分の控えを出すことができ、
読みの負担を減らすことになるのが重要です。

バトンタッチでも「ダメージがない」(加えて挑発で乙るとか)という点に目を瞑れば、
とんぼがえりと同じように、特殊なタイミングの交換によるアドバンテージを稼ぐ事も不可能ではありません。

先攻とんぼがえり [編集]

「ダメージを与える」+「無償降臨」が狙えます。ただし相手の技に対する読みが必要なので、
ただの「ダメージを与えながら交換」になりがちではあります。要するに襷潰し。
相手は交代を選ばなかったことが分かるため、自分の控えを出すときの参考になるのもメリット。

スカーフヒヒダルマのような「火力素早さがあっても反撃を受けたら終わる」ポケモンが襷潰し目的でよく使用します。
次に対峙するときは相手の襷を気にしなくて良くなるため、そのままごり押しが通用するというわけです。

後攻とんぼがえり [編集]

交換で出てきたポケモンは「無償降臨」に近い状態になります。
死に出し以外で襷持ちやマルチスケイルカイリューなどを繰り出せるのは大きなメリットです。

ハッサムの強さのひとつになっているのがこれです。
虫弱点の相手、特に炎技のない悪、エスパー、草にはハッサムを出すだけでアドバンテージが得られます。

交代読みとんぼがえり [編集]

とんぼがえりはあくまで技なので、相手の交換を見た上で入れ替えるポケを選べます。

交代してくるということは、相手はとんぼ持ちに対して有利なポケモンをぶつけて来るということなので、
こちらが交代先にさらに有利なポケモン、受けが不可能なポケモンを合わせることで、大きなアドバンテージを得られます。
また、次の受け出しを困難にさせる狙いがあります。

ハッサムに対して炎タイプを後出ししたら、とんぼ返りで逃げられてラティオスが出現。
受けられなくなってそのままパーティ壊滅、などは良くある事例です。

とんぼがえりの欠点 [編集]

とんぼがえりはカウンターできます。ボルトチェンジはミラーコートで返されます。
カウンター、ミラーコートは後攻技なので、当然交代で出てきたポケモンがダメージを食らいます。

威力が70と低いので、タイプが不一致の場合そのポケモンの潰し範囲を狭めることになります。

「とんぼがえりで相手を倒してしまう」と「自分の交代→相手の交代」という順序でやり取りが行われるため、
逆に相手に有利なポケモンを合わせられて不利な状態になってしまいます。

例えば、相手がとんぼがえりを読んで、体力がほとんど残っていないポケモンを交代出しして捨てる。
→とんぼがえりの交代先を見てから有利なポケモンを死に出し。
ということをされると、相手は役目の完了したポケモンを犠牲にするだけで、
こちらのポケモンを交代させたということでアドバンテージを取られてしまうことになります。
注意するとともに、相手のとんぼがえりへの対処法のひとつとして頭に入れておくと良いでしょう。

また、当然ながらボルトチェンジは電気技なので、地面タイプや蓄電等の無効化特性持ちには効きません。
元々交換することが目的の技なのでダメージを与えられないことは然したる問題ではありませんが、
『控えと交換する』という効果まで無効化されてしまうのが厄介です。
特にロトムが『スカーフを持ってトリックかボルトチェンジ』のような戦略を立てた際にこれが来ると目も当てられません。
相手の無償降臨を許してしまうばかりか、次ターンに自分が通常の交代を余儀なくされるという最悪の状況に陥ってしまいます。
ただしロトムの場合は特性浮遊を活かして交代読み地面技を読んであえて居座り、相手の出方を見たりできます。
また、この手の戦術を取れるポケモンは多彩な型があることが多く、相手としても次の手を打ちにくいため一概に不利とは言い切れません。
例えば、水ロトムであればボルチェン/ドロポン/十万V/鬼火@珠の構成である可能性がある以上、相手としても居座りにくいからです。
ただ、厄介な状況であることには変わりありません。ボルトチェンジを使う場合には相手の控えに十分気を付けましょう。